イネ科牧草の特徴を知ろう!
1.はじめに
近年、自給飼料の品質向上を高める気運が高まっています。
様々な牧草種がありますが、それぞれの特徴をとらえて、採草、放牧、兼用など利用方法に合った牧草種を選択しましょう。
今回は普及センターの試験展示圃調査データを活用して草種の特徴を紹介いたします。
2.牧草の収量と生育の違い
牧草の草種毎の生収量を比べてみました(図1)。
チモシーを100%としたときの収量は草種によって大きく異なります。
特にオーチャードグラスはチモシーの約1.5倍の収量が得られました。
また、初期生育はイタリアンライグラス、トールフェスク、ベレニアルライグラス、メドウフェスク、オーチャードグラスの順で生育が良く、チモシーは生育に時間がかかる草種ということがわかります(図2)。
3.チモシーとオーチャードグラスの出穂時期と刈り取り適期
牧草の出穂時期は草種とその品種によって1ヶ月以上も異なります(表1)。
刈り取り適期が異なることを利用し、収穫作業時期を分散することが可能となります。
また、チモシーは2回刈りに、オーチャードグラスは3回刈りに適しています。
それぞれの特徴を生かして、草種を選択し草地の利用方法に合わせた対応をしましょう。
4.オーチャードグラス主体草地への更新事例
釧路市音別地区ではチモシー主体に播種されてきました。
1番草、2番草の収穫時期が早いことから三番草の収穫が行われています。
しかし、チモシーは多回刈りに弱い草種であり、毎年3回収穫することは、草地を雑草化させる原因となります。
そこで、音別のTMRセンターでは草地更新時にオーチャードグラス主体でペレニアルライグラス、シロクローバーを播種しました(写真1)。
オーチャードグラス主体とすることで、刈り取り後の再生力が優れ、3回刈りに対応した草地となります。
普及センターでは様々な種子組み合わせを提案していますので、ご相談下さい。