普及センターコーナー

冬期間に気をつけたい農場管理のポイント
 寒い日が続いています。
 冬は低温で、凍結・積雪かあり、日照時間が短い季節です。
 今回は、そんな冬期間に気をつけたい農場の管理についてポイントを整理してみました。

ミルカーの洗浄温度管理
 冬に生菌数が高くなる場合は、洗浄温度の不足が考えられます。
 厳寒期はパイプライン自体が冷えているため、循環洗浄の間に洗浄水の温度が低下しやすくなります。
 排水温度が40度未満の場合、循環洗浄時間や水温を確認し、原因をみつけましょう。
 ボイラーの容量不足が原因の時には、入れ替えの検討が必要です。

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子牛は観察を徹底
 日照時間の短い季節、朝夕のほ乳時の観察では、周辺が薄暗いため、子牛の変化を見落としやすくなります。
 冬場に体調を崩す子牛が増える場合、寒冷対策に加え、いつも以上に意識した観察を心がけましょう。

冬期間の子牛の観察(例)
*明るい時間帯に観察機会をつくる。
*薄暗い時間帯には、懐中電灯等で照らして観察する。

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サイレージの取り出し
 サイレージは、サイロに積もった雪を取り除いてから取り出します。
 サイロ上の雪が溶けてサイレージに混入すると水分が変動し、牛の乾物摂取量にも影響します。

舎飼い期の換気
 舎飼い期に換気が不足すると、乳牛から蒸散する多量の水分が牛舎にこもり、結露します。
 牛の健康のために新鮮な空気は欠かせません。
 牛舎を閉め切りがちな寒冷期こそ、換気は大切です。

冬の換気対策(例)
*日中に南側の窓を開放する
*トンネル換気がある場合は低速で稼働する。

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給水施設周辺の環境と水温
 凍結する季節の水管理に苦慮されている方は多いと思います。
 水は乳牛が最も多く摂取しているもので、採食量にも影響します。
 「いつでも十分な量の水が飲める環境」のため、できる限りの対策を考えましょう。

水槽周辺の凍結対策(例)
*凍結した氷をつるはし等で割る。
*水槽の足もとにゴムマットを敷く(牛の移動により氷が割れやすくなる)。

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 水温も冬の課題のひとつです。
 牛にとっての最適水温は17度程度で、冷たい水は飲水量の制限要因となります。
 冬の水温管理は困難ですが、まずは表面に張った氷を取り除く事から始めましょう。
 投げ込み型ヒーターで水温を上げるという方法もあります。
 また、特に寒さに弱い子牛へは、ぬるま湯を給与しましょう。

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