普及センターコーナー

牧草の施肥 ~窒素の量について~

 最近、農業者との会話で、「今年の一番草は力(牛乳)がない(出ない)」と聞くことがよくあります。
 栄養価の高い牧草を収穫するために、栽培管理の基本である施肥(肥料をまくこと)について考えてみましょう。
 肥料成分には窒素(チッソ)、リン酸、カリが含まれており、それぞれが牧草生育に役立っています。
 なかでも、窒素は重要な働きをします。

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 「北海道施肥ガイド」には牧草を十分収穫するために必要な窒素量が示されています。
 マメ科牧草の割合で窒素量が変わるということです。

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 下右写真はマメ科率区分1、下左写真はマメ科率区分4です。

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 「区分1」は更新して間もないほ場であり、栄養価の高いマメ科牧草が多く混ざっています。
 区分4のほ場は更新後年数が経過したほ場に多く見られます。
 マメ科牧草では、生育に必要な窒素は共生する根粒菌が空中から取り込むので、イネ科牧草ほど必要ありません。
 逆に、窒素を多用すると、イネ科牧草の生育量は増加しますが、マメ科牧草では根粒菌活性が阻害され生育量は抑えられてしまいます。

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 新しいは場ほど肥料を多くまいてはいませんか。
 牧草が青くなる頃、ほ場へ行ってみて下さい。
 また、実際の肥料の量を決める時には、是非、普及センターにご相談下さい。

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