平成26年産サイレージ(一番草)について
一番草の生育・収穫期の気象
平成26年5月は平年より気温が高く、低温で日照不足だった平成25年と比較し、牧草生育には好条件でした。
しかし、牧草収穫が始まる6月中旬には降水量が多くなりました。
そのため、
1.収穫開始が遅れ、刈り遅れのほ場が出た
2.不安定な天候で収穫し、高水分サイレージとなった
などが想定されます。
6月下旬からは降水量も少なく、牧草収穫は順調に進んだ事と思います。
サイレージ(一番草)分析値より
下図は粗飼料分析値(ホクレン受付分)各項目の平均です。
水分は77.6%と高めです。
高水分での調製は酪酸発酵しやすいので注意が必要です。
NDF(センイ含量)が70.4%と高いため、乾物摂取量の低下や選び食いなどの可能性があります。
TDN(栄養価)は例年より高めの傾向です。
酪酸は値のバラツキを示す箱ひげ図で示しました。
酪酸は不良発酵の指標のひとつで、目標値は0.1%以下です。
平成26年産は0~1.3%と、例年よりも値の幅が大きくなっています。
サイレージ給与の留意点
○粗飼料分析をしよう!
使用するサイレージの粗飼料分析を行い、栄養成分や発酵品質を確認しましょう。
○高水分サイレージの場合
乾物給与量が不足しないように留意します。
低水分の粗飼料と組合せてもよいでしょう。
○酪酸発酵している場合
1.不良発酵サイレージの給与を制限し、他の粗飼料やビートパルプなどを併給する
2.糖蜜やブドウ糖などを利用する
3.乾乳牛への給与を控える
といった対応方法があります。
○NDFが高い場合
残飼の状況や毛づや、糞などを観察し、乳牛の栄養状態や選び食いの有無を確認しましょう。
ビートパルプやコーンサイレージ等嗜好性がよく、消化性の高い繊維質との併給が有効です。
○乾物摂取量を上げる環境
乾物摂取量向上には、エサの組合せの他、水が常時十分量飲める、換気が良いなど、乳牛飼養環境を整える事が重要です。