TMR給与を考えましょう
購入飼料費が高騰する昨今、飼料費の適正化は経営に直結する大きなポイントです。
飼料の給与量を過不足なく調製し、飼料費の適正化を目指しましょう。
1.実頭数とTMR調製頭数
TMRの給与を考える場合、まずは、給与対象となる飼養頭数と作成頭数の把握が必要です。
分娩、乾乳、群間の移動などで飼養頭数は日々変動しますが、それに対して、TMRの調製頭数も変更することが基本となります。
飼養頭数に対して調製頭数が多いと、余計に飼料費をかけていることになります。
日々の飼料代の積み重ねは決して見過ごすことができません。
一方、飼養頭数に対して調製頭数が少ない場合は、何らかの食えない要因があると考えられます。
いずれの場合も2,3頭の増減は許容範囲といえますが、それ以上になるときは給与内容を見直すようにしましょう。
※調製頭数をあわせるシートの工夫例
このシートでは一頭あたりの給与量と頭数に応じた量がわかるようになっています。
2.TMR調製量の考え方
○飼養頭数に対して調製頭数が多い場合
- 乾物要求量に対して給与量が不足している→乳量設定を見直す。
- サイレージの水分が高まっている→投入量を増やす。
同じバンカーサイロ内でも、ほ場や草種、天候、予乾などで水分は異なります。
写真一は同じ重さで水分が異なるグラスサイレージのガサを示したものです。
水分は左側が70%、右側が81%です。
水分が高まればガサが減るので、一頭あたりの量を増やさなければ牛が満足しません。
TMRの重さだけでなく、ガサも考慮する必要があります。
明らかに変わった場合は粗飼料分析等で成分を把握しましょう。
○飼養頭数に対して調製頭数が少ない場合
- 前述の反対に乳量設定を下げたり、サイレージが乾いてきてガサが増えれば、一頭あたりの量を減らす対応が必要です。
○その他の要因
TMRの過不足は、エサ側の要因だけでなく、飼養環境や牛作りにも大きく左右されます。
次のような管理を心がけましょう。
- 飼槽の掃除、エサ押し、飲水量の確保
- 寝起きしやすいストール構造、暑熱ストレスの軽減
- 乾乳期からの食い込み量を落とさない管理、育成の腹づくりなど。
毎日の残飼の量をモニターしながら、TMRの給与について今一度考えてみましょう。