植生改善について考えてみませんか。
サイレージ品質向上のためには、よい原料草の確保、草地植生の改善も必要な要件です。
A町では図1のように、更新後6年以上の草地は、チモシーなど基幹草種の構成割合が40%を下回り植生改善が必要なほ場の多いことが分かりました。
傷みの少ない草地では、簡易な更新の手法として、作溝法をペースに追播する手法が紹介されています。
また、10年以上にもなる牧草の経年草地では栽培を見直し、一部では秋小麦を加えるなど畑輪作への試みがはじまっています。
こうした輪作に早くから取り組んできたN管内H氏の事例を紹介します。
牧草とコーンの輪作による更新・植生改善事例
H氏は、「牛が喜んで食べてくれるエサづくり」を信条に、輪作に取り組み、平成26年植生調査ではチモシー、アルファルファなど基幹草種の構成割合は90%を占めています。
輪作を始めた理由については「牧草は5年もするとルートマットが29~25cmの厚さになるが、この後に3年間とうもろこしを作付し、この間に4回は耕起すると、土壌がすっかり膨軟になっていることが、やってみて分かった」と言っていました。
- 「牛をよく見て、牛と対話する」
- 畑をよく観察する
- よいと思ったら、まずやって見る柔軟な姿勢
が現在の経営安定につながっているのだと思います。
H氏のエサづくりのポイント
- 牧草はアルファルファ混播
- サイレージをグラス対コーンで55%対45%で給与
- 牧草収穫時の刈高さの確保
- 収穫直後の予乾の励行
- 牧草更新年、コーン作付時以外ではスラリー、堆肥を草地表面に散布しない