蛋白の自給に向けて ~マメ科牧草の活用で栄養価を改善しよう~
乳牛改良が進む中、一頭当たり乳量は徐々に向上しています。
しかし、牧草の栄養価は、向上していないのが実態です。
最近の飼料分析値から、イネ科主体の一番草は、粗繊維含量が高く粗蛋白質が10%以下の低いサンプルが多く見受けられます。
A地区で実施した植生調査(図1)からは、雑草が多く、マメ科牧草は10%程度と少ない実態が分かります。
乳牛の栄養を補うために良質の蛋白質、ミネラルを含むマメ科牧草(表1)を見直して見ませんか?。
マメ科牧草の種類と特徴
●赤クローバ
・越冬性に優れ、土壌環境を選ばずに栽培でき嗜好性に優れます(写真1)
・永続性は短く3~4年程度で、利用年限が短いのが欠点です。
また、一番草刈り後の再生力がチモシーよりも旺盛で、気象条件等によってはチモシーを抑圧し、優占することもあります。
●白クローバ
・多少の不良環境でも生育しやすいため、北海道において最も多く利用されています。
白クローバは採草、放牧と用途が広く利用されています(写真2)。
・シロクローバの茎は地面に接して伸びるランナーで広がります。
草地にできる裸地をうめて雑草の侵入を防ぐ効果もあります。
●アルファルファ
・近年土壌凍結に強い品種が出たことから栽培面積も増加しています。
アルカリ性のやや乾燥した土壌を好み、直根で土壌深くまで根が入り物理性の改善が期待できます。
また、干ばつに強いので播種量が多いとチモシーを抑圧することもあり、注意が必要です(写真3)。
●ガレガ
・発芽定着が難しい草種ですが、地下茎で増え、永続性他、多くの魅力ある特性を備えている。
栄養価の低下が緩慢で倒伏しにくいなどの特徴があります(写真4)。
最後に
草種の特徴を理解し、更新や追播に活用してみませんか?
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